- 総合は LOOP Multi 88 vs Single 80(14項目中10でMulti優位)。
- ただし一方的ではない。機能の深さ・UI・UXはSingleが上、保守性・責務分離・SOLID・拡張性・バグの少なさはMultiが圧勝。
- 結論は「プロダクトとして育てるならMulti、いま触って気持ちいいのはSingle」。工程ごとに効く品質が違う——設計工程=構造品質、QAループ=欠陥品質。
- 追試(実測):同一の外部QAで「合格までの人間帰還回数」を測ると Single 3 / Multi 3 のタイ。Multiの内製QAは人間介入を減らさなかった——価値は構造品質と、やや少なく速い欠陥収束にある。
実験
同一仕様のブラウザペイントアプリ(ボタン20個・20機能・ダークテーマ・外部ライブラリ禁止)を2通りのプロセスで開発させた。
- Single:熟練エンジニア1人。途中経過なし、完成版のみ納品。
- LOOP Multi:PM→設計→実装→QA→修正ループ→Survey の役割ワークフローを厳守。
モデル(Fable 5)・環境・仕様・システムプロンプトは完全同一。変数はプロセスの指示だけ。完成後、両コードを知らされていない第三者評価エージェントが全ソース精読で14項目×100点採点(根拠はfile:line付き)。両アプリとも実ブラウザで描画・Undo・Redoの動作を実測しPASS。
使ったプロンプト:
▶ Single版・Multi版プロンプトをダウンロード(.txt)
結果
総合点(14項目平均・第三者評価エージェント採点)
全14項目の採点。■ Single / ■ LOOP Multi
成果物の見た目

Single「Dark Paint」— SVGアイコン・パレット常設。7ファイル/最大790行

Multi「Paint Studio」— 18ファイル/最大348行・EventBus+Strategy+3層キャンバス
何が差を生んだか
- 設計工程 → 構造品質:責務分離93/SOLID92/拡張性92はアーキテクト役の直接の産物。新ツール追加=クラス1枚+登録1行、という構造が実際に成立している。
- QA→修正ループ → 欠陥品質:Multi は pointerId追跡・サイズ0ガード・MIME検証など防御的実装が徹底。Single にはマルチタッチで描画が乱れる実バグと空Undo履歴が残った——「検査される前提」の有無がコードに表れた。
- プロセスのコスト → 磨き込みの差:同じ予算が役割演技とレビュー往復に割かれ、Single にあった作り込み(選択範囲のドラッグ移動・ズーム中心維持・許容誤差付き塗りつぶし)が Multi には無い。UI/UXの点差はここから。
追記:合格までの人間帰還回数を実測する
「Multiは人間の手を離れて自走するから介入が少ないはず」——これを検証するため、両成果物に同一の外部QAゲートをかけ、独立QAが「要修正バグ(high/mid)ゼロ」を出すまで、私が修正指示を出す回数(=人間に戻ってきた回数。エージェント内部のやり取りはノーカン)を実測した。
QAラウンド毎の要修正バグ数(high+mid)。両者とも修正2回で0へ収束=合格までの人間帰還は各3回(ビルド1+修正2)
結果は Single 3回 / Multi 3回のタイ(各ビルド1+修正2)。Multiの内製QAは外部の帰還回数を減らせなかった。ただしMultiは初回の要修正バグが少なく(1件 vs 2件)、残存する軽微バグも少なく(2件 vs 3件)、修正ビルダーの総稼働時間も短かった(25.8分 vs 32.0分)。Multiの価値は「人間介入の少なさ」ではなく、構造品質とやや速い欠陥収束にある——EXP3の採点結果と一致する。(各条件1試行。QAのmid判定には主観が残るが、両者へ同一基準を適用。連続稼働の最大の中断要因はモデル能力ではなく利用枠上限だった。)
環境:aidoc(自作エージェント基盤)上の独立エージェント3体(builder×2+評価者、全てclaude-fable-5・メモリ非バインド・独立workspace)。ビルダーは比較実験であることを知らない。各条件1試行の小サンプル。